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「1」がつかない!? 公立中で通信簿の“インフレ”

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「1」がつかない!? 公立中で通信簿の“インフレ”

公立中学校の通信簿の5段階評価で、学校や地域の差が依然としてある。「相対評価」から「絶対評価」に変わり7年目を迎えるが、成績のインフレ傾向が目立ち、生徒の9割に「5」をつけるケースも。高校入試での不公平感を解消しようと千葉県や熊本県は独自の内申補正制度を導入。新しい学習指導要領実施を控え、文部科学省は絶対評価制度の簡素化を念頭に、中央教育審議会で見直しを検討する。(小田博士)

■9割が「5」
 首都圏1都3県で教育委員会が公表している最近のデータなどを調べたところ、公立中学3年の9教科平均で「5」の割合は相対評価(上位7%)時代と比べ、千葉が3倍、東京と埼玉が2倍だった。

 千葉を例にすると、相対評価では3だったはずの平均値が、18年度に3・59に上昇した。

 特に保健体育や美術などの技能系4教科で上昇が目立っている。学校間格差も大きく、「最も甘い」学校は平均4・11だが、「最も厳しい」学校は3・11と、1段階の差がある。

 千葉県浦安市のある市立中では、「5」がついた生徒の割合は保健体育が89%、美術が74%、社会が69%、理科が59%。平均的な生徒でも計9教科のうち4教科で「5」がもらえる計算だ。生徒180人のなかで「1」がついた生徒は1人もおらず、「2」も各教科数人しかいない。

 成績の格差に保護者は敏感だ。和歌山県の市立小では昨年、2年生の1学期の通知表を配布後、「別のクラスより評価が厳しい」と保護者からの苦情を受けて、成績を書き換えたことが発覚した。

■成績補正
 成績評価の見直しも始まっている。

 熊本県では「絶対評価の公平性を高めたい」として18年度以降、一般入試(後期選抜)の制度を変更。調査書(内申書)の評定を学力試験の得点に基づいて補正する新方式を導入した。

 英語の3年間合計の評定が15の生徒の場合、同教科の学力試験で満点なら補正後の評定を18に加算し、0点なら10に減じる。

 千葉県は今春の入試から、独自の補正算式を用いて格差を是正し始めた。生徒の通う中学校の評定平均値が、県が設定する評定標準値より高ければ、その分を減じ、逆に低ければ加算する。「各校の絶対評価は尊重しつつ、相対評価には戻さずに公平にした。保護者からは理解されている」(県教委指導課)という。

 一方、大阪府は高校入試に使う調査書で相対評価を続けている。「一定の基準に達すれば合格する検定試験とは違い、定員が限られる高校入試は制度自体が相対評価だ。(絶対評価は)成績が全般的に上昇するので上位層は調査書で差がつかない」(府教委高等学校課)という。

■学力より態度?
 絶対評価について、文科省の調査(平成15年)によると、7割以上の中学教員が「入試にそぐわなくなった」「教員の評価活動が複雑になり余裕がなくなった」と感じている。

 文科省では、小学校で23年度、中学で24年度から完全実施される新学習指導要領に合わせる形で見直しをはかる考えだが、議論百出が予想される。

 愛知県内で学習塾を経営する教育コンサルタントの伊藤敏雄氏は、絶対評価について「テストが軽視され、仮に0点でも授業態度が良ければ『2』がつき、事実上『1』がない4段階評価に変わった。評価基準があいまいで教員の主観が入り、成績と学力が比例しなくなった。生徒の頑張り度合いと成績は分けて評価すべきだ」と話す。

 全日本中学校長会長を務める草野一紀・東京都新宿区立牛込第二中学校長は「絶対評価は子供が努力した過程を記録できるので存続すべきだ」としつつも、「成績を甘くつければ高校入試が有利になる制度はおかしい。均一的で客観的な評価基準を徹底すべきだ」と指摘する。

 森上教育研究所の森上展安所長は「学校の評定が『5』でも、塾のテストの偏差値は30台から60台まで割れる。通知表が信頼できない以上、各自治体は到達度テストを導入すべきではないか」と提案する。
(産経新聞 2008年5月6日)
中学校の通知表の評価方法が「相対評価」から「絶対評価」に変わって既に6年が経過し、いろいろ問題点が指摘されています。

相対評価、絶対評価については、フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』の「相対評価」 「絶対評価」が分かりやすいのでこちらを参考にご覧ください。

内申書の評価方法が絶対評価に変わって、学校間のおける内申書評価の統一性の無さが、高校受験の内申書の不公平を生みだしている点が問題になっているわけです。

そこで、記事にあるように各県でいろいろ工夫をしていますが全国的な不公平を解消するために、新しい学習指導要領実施を控えて、文部科学省は絶対評価制度の簡素化を検討するというわけです。

これから検討するということですから、方針が決定したらまたご案内します。

2009年度(平成21年度)の高校受験には影響はないでしょうが、現在中学1年生、2年生の方は推移を見守っていく必要があります。

内申書または調査書に記入する内容をおもな項目を参考に上げておきます。
■内申書または調査書に記入する内容
  • 受験者の名前、生年月日、住所など
  • 受験する高校名
  • 3年間の出欠状況
  • 健康状態
  • 9教科の観点別学習状況
  • 観点別は、一つの例をあげると国語の評価でも、 言葉の知識、表現力、読解力など細かく評価される。
  • 9教科の評価点 内申点算出方法は、各県ごとで違う。
  • 校外活動(ボランティア等)の活動状況
  • 学校での生活態度
  • 学級活動・ホームルーム活動状況
  • 生徒会活動状況
  • 学校行事活動状況
尚、調査書(内申書)の様式や記載内容の規格は、公立高等学校の場合は各都道府県ごとに・私立高等学校の場合は学校別で調査票に記載する教科の評定の学年や時期記載する時期、学力検査(入学試験)の点数と調査書(内申点)の比重も各都道府県教育委員会や私立高等学校別に違います。

詳しい内容を知りたい方は、公立高校の場合(各都道府県教育委員会)、私立高等学校の場合(それぞれの私立高等学校)のホームページで確認するか、学校の先生に相談してくださいね。