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どうなる学校 公立が塾と連携(上) 受験指導で人気回復狙う /東京

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どうなる学校 公立が塾と連携(上) 受験指導で人気回復狙う /東京

長い間、水と油の関係だった学校と塾との距離が急速に縮まっている。塾講師が学校の教壇に立ち、教員が塾の指導ノウハウを学ぶ。連携事情を三回に分けて報告する。一回目は、塾の“お家芸”受験指導にスポットを当てる。 (井上圭子)

 金曜日午後六時半。東京都杉並区立和田中学校の調理室に、十八人の生徒が集まる。おでんやチキンカツなど、地域の有志らでつくる「地域本部」のボランティアが作った夕飯を進学塾サピックスの講師と食べ、校内夜間塾「夜スペ」に臨む。

 「硬貨を五枚投げると裏表の出方は何通り?」「六枚では?」「三人でじゃんけんしたら?」−。講師の矢継ぎ早の質問に生徒たちが即答する。見学していた大阪市教委の担当者はレベルの高さに驚いた。

 藤原和博・前校長から「学力中間層以上のケアを」と依頼されたサピックス企画営業部の河合尚男さんは「これだけ注目されたら失敗はできない。エース級の講師を送り込んだ」とやる気満々だ。

 数学と英語を週三回。市価の半額とはいえ校舎で塾が有料授業を行う点が議論になっているが、四月に赴任した代田昭久校長は「(地域本部が開く補習)土曜寺子屋で基礎レベルの子のフォローもしており、『不公平』という指摘は的外れ」と強調する。サピックスにはほかに九校から提携の打診があるという。

 「塾導入」は広がっている。有名私立校がひしめく千代田区の同区立九段中等教育学校では、三年前から早稲田アカデミーが土曜予備校講座を請け負う。教員らが放課後などに補習をしているが、受験指導まで手が回らない。「私立に負けぬ授業数を確保したいが、中学校の教員は土曜勤務ができないので、力を借りた」と藤井英一副校長は話す。

 中学生全員が必修。年間五百五十八万円の費用は区が負担する力の入れようだ。同社経営企画室上席専門職の村上敬一さんは「学校はもう塾の敵ではない」と話す。

 高校も提携を進める。都の進学指導重点校、都立青山高校は教員による早朝や放課後、土曜日の受験補習に加え三年前から、代々木ゼミナールのビデオ講座を開いている。「国公立大現役合格七十人」など明確な数値目標を掲げる。

 岩崎充益校長は「家庭の事情で塾へ行けない子にも、私立難関中高の生徒と張り合える力をつけさせてやるのが、都立高の使命」と公立も受験対策に積極的に取り組むべきだと主張する。

 公立校はこれまで、「受験と教育は違う」という理念から、受験指導からは距離を置いてきた。だが、私立に人気を取られ進学希望者が減る“地盤沈下”に襲われている。

 一方で、教員には受験ノウハウが十分にない上に多忙だ。さらに受験指導に批判的な教員もいて、学校が自前で受験対策に取り組みにくい事情がある。

 そこで塾の登場となるが、公教育への塾の“浸食”に教員の反発もある。大田区のある公立中の教員は「私たちにも教育のプロとしてのプライドがある。単純に子どもや親に比べられたらたまらない」と話す。

 青山高は昨年度、同重点校四年目で初の東大合格者を出した。だが岩崎校長の表情は複雑だ。「私があまりに東大東大と言うので、昨年度『東大がすべてじゃない』と反発して転校した子がいた」

 学校は塾とは違う。学級活動も行事も部活もある人間づくりの場だ。だが「実績」を出さねば公立離れは加速するばかり。公立校の模索が続く。 =次回は五月三日掲載

(東京新聞 2008年4月26日)
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以前、東京の和田中学の取り組みについて下記の関連記事を紹介しました。
賛否両論いろんな意見が交錯しています。

東京都や区が予算付けをしているケースもあり、教育の機会均等という観点からも、また学校教育の本質や使命という基本的な観点からも問題点の多い課題ですね。

東大、東大されど東大、あなたは受験重視派ですか?
人格形成重視派ですか?
それとも両方重視派ですか?

公立離れは、有名大学合格率だけの問題なのか実施・検証が待たれます。もう少し様子見といったところでしょうか。